孟宗と陸遜
「モウソウチク」という名前の竹がありますよね。漢字で書くと「孟宗竹」。この「孟宗」というのは人名で、しかもあの三国時代の呉の人だって…ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、最近これを知ってびっくりした自分(笑)。
孟宗は母思いの孝行息子で、いいものが手に入るとまずは母に送る、といった具合。この母親の大の好物がたけのこだったらしい。
初冬の候、たけのこなんて生えない時期なのに、孟宗は母にたけのこを食べさせたくて竹林に入り、たけのこが欲しい…と願った。と、たけのこがその願いに応じてにょきにょき生えてきて(すげーー!!笑)、母にたけのこをご馳走することができたそうです。「孟宗竹」という名前はこれに由来するのでしょう。
この孟宗、あるとき死刑に当たる罪を犯してしまうのですが、このときに孟宗を弁護して死刑から免れさせてくれたのが陸遜。
呉では、任地を捨てて親族の葬儀に向かうのは職務放棄ゆえ取り締まるべきだという意見が有力で、仕事を放棄して葬儀に行った者は死刑、という厳しい法令が実施されていたらしい。
しかし、母思いの孟宗が、母の死に遇って黙っていられるはずがなく、死刑だと分かりながらも母親の葬儀に直行したんです。
しかしここで陸遜が、彼は親孝行ですから…と、死一等を免ずることを孫権に請うたんです。
で、孫権もそれを聴許し、孟宗は降格されたものの命は助かった…とのこと。ちょっ、陸遜…やりおるわー…。儒教的素養に富んで、思いやり深い人だったんでしょうね。なんでもかんでも法律で縛っちまえ!という意見が出ると、陸遜はそれに強硬に反論することがよくあるように思います、正史を見てると。
(2006.05.24)
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