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久々サイト更新したでござる

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  『春秋左伝詞典』 で気になる人の『左伝』登場年を調べて整理して表にしたでござる! とりあえず晋人約30人分まとめたので、まあそれなりの量はこなせたかなと思って上げました。 目次はこちらです 。参考のスクショも撮りましたぜ~っていうか簡単にスクショできる機能につい最近気づいた; こんな人たちの分をとりあえず作りました! 目次とサンプル(趙さんち)。これでだいたい、『左伝』のどこを見ればその人の記事が出てくるか分かるのではと。ついでに、『左伝』中の呼称一覧としても使える感じにしました。呼称の偏りもあるかなーと気になったので、こんな感じの表にしました。 こういう資料は基本的に、自分が気になったことをいつでも調べられるようにするための自己満足資料として作ってるのですが、もしかして万が一人様の役にも立つかなー?と思ってサイトに上げてます(笑)。まあ、先達の成果を少しかみ砕いて自分なりに整理してることが多いのですが…。 …しっかし今時、メモ帳開いてHTMLをぽちぽち手入力してwebページ作ってるなんて方はほぼほぼいないですよね…でも慣れてるしすこーしだけ楽しいのでこの方法を捨てられない(笑)。 個人サイト自体、持ってる方がレアだと思うのですが、なんやかんやで自分のホームが欲しいので、ほぼほぼ人がいらっさらないことが分かっててもやめられない(笑)。それでもサイトに来てくださってる方には感謝感謝しかないです。

こっちの親子の脳内設定

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 先日、うちの士匄とししょーさんの関係性を出力しておきたいなーなんてぼやいてたのですが、出力したでござる。士会士燮親子であれば「相思相愛」の一言でまあ片付きますが(エッ)、士燮士匄親子の方は一筋縄ではいかないかなー。 ということで、拙宅の士燮士匄親子の設定です。 ししょーさん的には、息子の才覚は正直すごいと思ってる(法については自分を凌駕してると思ってる…士会と士匄は法に関わってる記述が『左伝』にあるけど、士燮にはないので、そんな設定)。でも、すごいからこそ危ないとも思ってる。触れれば切れる鋭利な刃が常に抜き身になってるような危うさ。基本的には鞘に入れておいて、必要な時に抜いてほしい。 だから、士匄がいらんときに才をひけらかすとキレる。イラっとしてキレる感じじゃなくて、危ないからやめろとキレる感じ? 上位者には譲り、目上を敬う謙虚さを持つよう、父(士会)から言われてきたので、自分は勿論それを律儀に守るし、我が子にも守ってほしいと思っている。それが、范氏(士匄を含む)を守る道だと考えている。 一方士匄くんはというと、父のことは尊敬してる。けど、その生きざまは好きじゃない。為政者として理想的な生きざまだとは思うが、祖父(士会)の思想にからめとられた生き方なんじゃないかと思ってる(士会が縛ってるというより、士燮が縛られに行ってる)。そこが好きになれない。自分は自分の考えにのっとってやりたい…と考えているのが士匄。 父が自分に何を望んでいるかはわかってるし、それが自分を思ってのことだということもわかってる(でも、士燮が士匄一人というよりは范氏全体を考えてることも察していてちょっとモヤッとするところもある)。でも自分は父に縛られたくない。父の考える通り、むやみに才を顕示すれば他人がどう思うか分からない。だとしても、この才は自分が努力に努力を重ねて磨いた才なのだから、それを示すのは悪くないと思ってる。努力の成果を出すだけ。自分に嫉妬するような奴がいれば、自分に負けないくらいの努力をすればいいだけ、と思う。もし他人から憎まれたとしても、それは自分の才覚で跳ね返せばいい、くらいに思っている。憎しみを買ったとしても、それに対処する自信はある。 …だから、父にも祖父にも似つかないトンデモなことをしでかしたりする; …と、そんなところでしょうか。互いに認めてはいるんですが、屈折がある感じ

『春秋左伝詞典』を使ってみた感触

  前の記事で触れた『春秋左伝詞典』 を使って、自分の気になる人の記事が『左伝』のどこにあるか洗い出してみたのです。十数人ですが。 異称もだいたい挙げてくれているので、おおむね『左伝』上の記事を拾えます。 例えば「士燮」と引くと、『左伝』中に9回出てくることが分かります。その9回が、『左伝』の何年に出てくるか(楊伯峻『春秋左伝注』の何ページに出てくるかも書いてある)、それが経文か伝文かが示されています。さらに「范文子」「范叔」「文子」「燮」と異称も示されています。 全ての異称を確認した結果、「士燮」9回、「范文子」13回、「范叔」1回、「文子」6回、「燮」3回の計32回名前が出てくることが分かる、という感じです(うまく説明できない;)。これで『左伝』中に出てくるししょーさんの記事を全部拾えるぜ!となるのです。これは便利やー。 ただ、異称がちょこちょこ落ちてるんですよね…ということで、人名索引として使う時の若干の注意事項。 ※氏なし諡号、名のみ表記の場合が書いていないことがちょくちょくある 士会を引いたときかな? 氏なしの「武子」という呼称が異称の中になかった。でも、「武子」を引くとちゃんと士会の項目がある。 また、士匄を引いたときは「匄」という名のみの呼称が異称の中になかったにもかかわらず、「匄」を引くと士匄の項目がある…という感じ。 なので、異称の中に示されていなくても、氏なし諡号と名は調べておいた方がいい感じ。 …逆に荀罃を引いたとき、「武子」という異称が示してあったのに「武子」を見に行ったら荀罃の項目がないやん…ってこともありました; そもそも荀罃を単に「武子」と呼んでないのか、それとも項目自体が欠けてるのか…どっちなんだろう; ※そもそも異称が網羅されてない場合がある 気づいたところでは士魴くん。士魴の項目を引くと異称が示されておらず、呼称は「士魴」のみのように見える。が、彼には「彘季」という呼称もあるはずだよな…と思い出して調べてみると、ちゃんと「彘季」の項目がある、という感じ。 郤缺もそうだったな…「冀缺」という呼称が示されてなかった。 なので、全面的に信用するといくつかの呼称を拾い損ねることがあるかもです。ほぼほぼ信頼していいと思うし、かーなーり使えることは間違いないのですが、網羅できていない可能性は頭の片隅に置いて使うといいかもしれないです。 …これ

『左伝』を読むときに使ってる本いろいろ

 唐突ですがご紹介します。二冊目以降はある程度漢文が読める方向け。ある程度でおけです(自分がある程度しか読めないけど、なんとなーくの範囲では使えてるので)。よく使う順で挙げてみます。 ●小倉芳彦訳『春秋左氏伝』全三巻(岩波文庫) おそらく一番お手軽に入手できる日本語訳(全訳)。ざっと内容を把握したいときに読みます。巻末でおもしろ場面集を紹介してくれてるので、そこを拾い読みするとよいと思います!!(さんざん左伝の話をする癖に通読したことがない人) 系図も適宜載せてくれています(左伝注や世本を参考にしてると思われる)。 ●竹添光鴻『左氏会箋』全二巻(冨山房) 漢文大系のやつ。自分が持ってるのは台湾で出た縮印本?ちうやつ(古本で一冊1000円やった…)。訓点がついていて、まだ読める。本文(経文・伝文)はフル訓点、注釈は送り仮名がない。杜預の注もついている充実の内容。他の諸家の注もついていて面白い(が、引用元が示されていないことが多々あるらしい)。深掘りしたいときに使う。 ●楊伯峻『春秋左伝注』全四巻(中華書局) 岩波訳が底本として使ってるテキスト。本文(経文・伝文)+楊氏の注釈つき。杜預注なし。『会箋』とは違う注釈がついていることも多く面白い。年ごとに、その時の各国諸侯の名と在位年数が示されているのもありがたい。 楊伯峻・徐提編『春秋左伝詞典』(中華書局) とコンボで使うとかなりよい。『春秋左伝詞典』は索引としても役立つ本で、人名は異称も含めて網羅できる。それだけじゃなく、『春秋左伝注』に対応しており、『春秋左伝注』の何ページにその語が出てくるかが書かれていて、すぐ参照できるのが強い。 ●顧棟高『春秋大事表』全三巻(中華書局) 何かと便利(あばうと)。かゆいところに手が届く。各国有力一族の系図、各国歴代執政一覧、有力国家間の戦争一覧、国家間の使節往来一覧…などなど。ちょっと困ったときに『大事表』を見るとまとめてあることが多々ある。なんとなーく見てるといろいろ小ネタが見つかっておもしろい。 ●阮元『十三経注疏』全二巻(中華書局) 『春秋左伝正義』が入ってる。杜預注、孔穎達疏がついてるやつ。よほど根性があるときじゃなければ読む気力が起きない…注疏の字が小さいし句読点もついてないしで、自分には硬派すぎる; 杜預注は『左氏会箋』に載ってるので、孔穎達疏(や校勘記)が気になるときに