『春秋左伝詞典』を使ってみた感触
前の記事で触れた『春秋左伝詞典』を使って、自分の気になる人の記事が『左伝』のどこにあるか洗い出してみたのです。十数人ですが。
異称もだいたい挙げてくれているので、おおむね『左伝』上の記事を拾えます。
例えば「士燮」と引くと、『左伝』中に9回出てくることが分かります。その9回が、『左伝』の何年に出てくるか(楊伯峻『春秋左伝注』の何ページに出てくるかも書いてある)、それが経文か伝文かが示されています。さらに「范文子」「范叔」「文子」「燮」と異称も示されています。
全ての異称を確認した結果、「士燮」9回、「范文子」13回、「范叔」1回、「文子」6回、「燮」3回の計32回名前が出てくることが分かる、という感じです(うまく説明できない;)。これで『左伝』中に出てくるししょーさんの記事を全部拾えるぜ!となるのです。これは便利やー。
ただ、異称がちょこちょこ落ちてるんですよね…ということで、人名索引として使う時の若干の注意事項。
※氏なし諡号、名のみ表記の場合が書いていないことがちょくちょくある
士会を引いたときかな? 氏なしの「武子」という呼称が異称の中になかった。でも、「武子」を引くとちゃんと士会の項目がある。
また、士匄を引いたときは「匄」という名のみの呼称が異称の中になかったにもかかわらず、「匄」を引くと士匄の項目がある…という感じ。
なので、異称の中に示されていなくても、氏なし諡号と名は調べておいた方がいい感じ。
…逆に荀罃を引いたとき、「武子」という異称が示してあったのに「武子」を見に行ったら荀罃の項目がないやん…ってこともありました; そもそも荀罃を単に「武子」と呼んでないのか、それとも項目自体が欠けてるのか…どっちなんだろう;
※そもそも異称が網羅されてない場合がある
気づいたところでは士魴くん。士魴の項目を引くと異称が示されておらず、呼称は「士魴」のみのように見える。が、彼には「彘季」という呼称もあるはずだよな…と思い出して調べてみると、ちゃんと「彘季」の項目がある、という感じ。
郤缺もそうだったな…「冀缺」という呼称が示されてなかった。
なので、全面的に信用するといくつかの呼称を拾い損ねることがあるかもです。ほぼほぼ信頼していいと思うし、かーなーり使えることは間違いないのですが、網羅できていない可能性は頭の片隅に置いて使うといいかもしれないです。
…これで、気になる人の記事をほぼほぼ拾えるじぇ…あまり知らない人についてもこれである程度情報を拾える…。
左伝襄公年間のうちの晋人をもそっと増やしたいんですよね…魏絳・張老・祁奚あたりが欲しいなーとぼんやり考えてます。叔向もいい加減…という気もする。欒黶もなんやかんやで必要かな。韓厥荀罃執政期の晋人を動かしてみたいのです…。
あ、自分が調べた人の『左伝』登場回数だけ最後にまとめておきます!
【范氏】士会38回、士燮32回、士魴15回、士匄76回
【欒氏】欒書43回、欒黶25回、欒鍼6回、欒盈29回
【郤氏】郤缺16回、郤克26回(←「駒伯」1回込みで)
【韓氏】韓厥34回
【趙氏】趙盾49回、趙朔3回、趙武113回(!?)
【知氏】荀首12回、荀罃39回
【魏氏】魏絳21回
趙武が桁違いで笑った…あくまで名前が出てくる回数なので、一つの場面で十数回名前が出てる場面もあるんですが、それにしても多いな…! 韓起もかなり多い感じだったな…。
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